1509278134
月報11月1
月報11月2
1506324880
10月号1
10月号2
1506324750


アルチンボルド展を見る


 だまし絵ジャンルの巨匠として語られるアルチンボルド。その背景にはルネサンスから盛んになる博物学的な知見がある。当時の正確なスケッチの動植物は、現代の図鑑に収録されても遜色ない。神聖ローマ皇帝をはじめとする貴族たちは、「ヴンダーカマー」「クンストカマー」と呼ばれる「収集部屋」に珍しいモノを集めて、来訪者に自慢した。今のオタクの先駆けだ。

1502088940

 

『バベルの塔』展、『ベルギー奇想の系譜』展を見る


フランドルの絵画が今年は多く紹介されている。「バベルの塔」は建設中の塔を描いたバージョン。描き込みの細かさはシュールレアリスム的である。


共に展示されたボス「放浪者」「聖クリストフォロス」が収穫。ボスも有名な作品が毎年のように来る。これも描き込みの細かさがシュール。いつ見てもいい。


宗教改革500年なので、ボスも親交深かったルター肖像何点かも来日。これも貴重。


「奇想の系譜」は地味な企画だが、ボスの工房作品が何点かある。ボス三昧である。


デルボーもマグリットもあるが、オマケな感じ。ベルギー象徴派をもう少し見たかった。図録を見ると、東京展が最後なので多くの作品が帰ってしまったようだ。これは残念!

1494650971


 アドルフ・ヴェルフリ展を見る


東京ステーション・ギャラリーのヴェルフリ展は、アール・ブリュットの作家ヴェルフリの大規模な展示。青年時代に来たゾンネンシュターン以来のアール・ブリュット作家の紹介である。


精神病院で後半生を過ごした人物であるが、描かれたものの中にキリスト教的イメージが強い。彼の「作品」が保存される機会を得たのは、そのイメージによるところが大きいと感じた。


さらに、同じスイス出身のユングが傾倒した、マンダラのイメージが繰り返し描かれている。フラクタル幾何学の創始者マンデルブロは「マンデルブロ集合」を既視感のある形態と言い、アーサーCクラークは「眼をつぶって瞼を押すと見える形」と語っている。ヴェルフリも同じものを見ていたのだろうか?


さらに、マンダラのイメージはビンゲンのヒルデガルトにつながっている。こうした世界イメージは抑圧されたイドの領域に胚胎していて、瞑想や狂気によって「意識の昼」が眠り込むと現れるようだ。


東京都障害者美術展ももっと重視されるべきだと、改めて思う。


1491598429

 

「これぞ曉齋!」展を見る。


Bunkamuraの曉齋。有名なゴールドマン・コレクションだ。


真面目な曉齋よりも漫画家としての曉齋が面白い。絵がうまいからこそ、色々遊べるのだ。


ツイッターで話題になっている「地獄太夫」が素晴らしい。着物の柄が地獄模様。


曉齋のスポンサーのひとつは飴の榮太郎本舗で、作品を100円で購入したという。


宮尾登美子「序の舞」によると、十代で修行中の上村松園が博覧会に出した作品を、英国コンノート侯が20円で購入。母親は2円の間違いと思ったが、本当に20円で仰天したとある。師の松柏も「破格の画料」と言ってるので、100円が如何に高価かわかる。


有名な建築家ジョサイア・コンドルをコンダーと表記していたのが気になる。英語発音はコンダーでも、日本で普及しているのはコンドルである。彼は鹿鳴館を始め、多くの豪華建築を設計したが、暁斎の弟子としての顔も持つ。


お土産に榮太郎飴、地獄太夫缶入りを購入。

1491204988

 
『スケーエン:デンマークの芸術家村』展を見る。


西洋美術館の新展示室で行われているミニ展覧会。


精緻な鉛筆画が見どころ。写真がいくら進歩しても「描き出す」という行為は意味を失わないと実感する。


薄型ウオッチ「スカーゲン」の名前の由来。デンマークデザインが優れているのは、基礎に「ものをよく見る眼」があるから。それに気づかせてくれる。


我が家のダイニング家具はバブル崩壊の頃購入したデンマーク製。しっかりしている。

1490805530

 

『ティツィアーノとヴェネツィア派展』を見る。


都美術館。「フローラ」が目玉。「ダナエ」も。ティントレット「レダ」も来ている。


しかし、作家も人物も不明の作品が多く、少々締まりのない展示。


ティツィアーノのデッサン力をミケランジェロが批判したという説明に納得?



『スポットライト』を見る。(*^o^*)


カトリック神父が少年に性的虐待をしていたという事実をボストン・グローブ紙が暴いた実話映画。


伝統が生き残る街だからこそ、カトリック教会が隠然とした権力を持っていたボストン。そこで神父の少年虐待事件を調べるうち、記者は聖職者全体の6パーセントが小児性愛者だという事実を知って驚く…。


今やローマ法王が教会の重大課題として性的虐待を挙げるようになった。それはこうしたメディアによる告発があったからだ。


2016年のアカデミー賞作品賞。日本の映画人にはできないことだ。

- 1 - - 2 - - 3 - - 4 - - 5 - - 6 - - 7 - - 8 -