こんなのどう?

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『ル・コルビュジェの家』を見る


アルゼンチン映画。原題は『隣の男』。

安部公房「友達」のような、都会生活の理不尽さがテーマ。

ル・コルビュジェの歴史的建築に隣家があるのか、真相はわからない。

ステキな家だ。しかし、住んでいるデザイナーは最低。そこだけリアリズム。

美大生の椅子作品にダメ出しする様子もリアル。理論もないくせに、自分を偉いと思っている。

結局テーマは何だ?

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『タイピスト』を見る


フランス映画「タイピスト」を見た。
「のだめカンタービレ」のようなヒロインによる「格闘技映画」である。
種目はタイピング早打ちコンテスト。
ブラインドタッチを習得して女王になる後半より、一本指高速打ちの前半の方が面白い。女子高生の携帯電話早打ちに通じるものがある。
qwerty配列とジャムの関係、シフトとプラテンとベッドの関係(オリベッティ式)、ボールヘッドと電動化、など、タイプの歴史が詳しく絡んだらもっと面白いのに。
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バルテュス展を見る


終わる前に都美術館に行った。『バルテュス回顧展』という名前の割に、彼の生き方を貫く視点がない。
「バルテュスは少女趣味の変態じゃないんです」のような展示の仕方に疑問あり。
やはり普通の人が見て楽しむ作品ではない、ということを強く思ったのだった。
少女の白パンは永遠である。
少女の3Dフィギュアがあったら買ったのに。
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『妖怪ハンター 稗田の生徒たち(1) 夢見村にて』を読む


 ハイペース諸星の新作。
 夢を売り買いする話と海女の話。
 稗田礼二郎と関わったがため?不思議な目に遭う若者たち。
 ちょっとだけ夢の多重構造が出てくる。

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『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)』を読む


これは実録物というよりジャーナリズムである。
作者にはまだ迷いがあって「現場の立場で描きたい」と言うが、作品というものは描いた瞬間に批評性を持ってしまうのだ。
『吉田調書』で私たちは生々しい事故現場を想像する。しかし、その想像力の及ばなさを突きつけてくるのがこの本だ。多くの人に読んでほしい。
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『北方の王者 高田屋嘉兵衛』を読む


「風雲児たち」では紙数がなく、ほとんど触れられなかった嘉兵衛の伝記を読んだ。
起業家としても最先端だが、ネゴシエーターとしての嘉兵衛は歴史に何人もいない傑物だろう。
ロシアに拉致されながらゴローニン釈放の仲介をし、択捉北に暫定国境線を決めて帰還した。現代なら外務、通産を兼ねた総理大臣みたいなものだ。
 それにしても、既に帰国していた大黒屋光太夫をロシア交渉に活用せず、最上徳内のアイヌ研究を無視し、嘉兵衛の次世代を財産没収して潰した幕府の(反対勢力の)愚かさは歴史に輝いているな。
 今も同じだが。

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西遊妖猿伝 5 諸星大二郎


待望の西域篇5が出た。

舞台は天山山脈の麓、東突厥と西突厥、ソグド人とキリク族との関係が描かれる。

背景にはゾロアスター教と仏教、道教。


アンソロジー『遠い世界』には異星の砂漠に点在する架空の諸民族が描かれているが、諸星の作品を読み続けていると、どれが空想でどれが歴史的事実かわからなくなってくる。


よくできた映画のマット背景画のように、境界を意識しないうちに現実とフィクションが溶け合い、交替していく。


それにしても、今は存在しない消えた民族「突厥」「ソグド人」などの実体化には驚く。

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発達障害?平賀源内


『平賀源内』芳賀徹(朝日評伝選1981朝日新聞社)を読んだ。

前項の最上徳内周辺の時代を調べるためである。


源内の日常や身辺を見ると、ADHDとアスペルガー臭がすごい。

いつも頭がオーバーヒートで、思いついたらすぐ行動に移さないと我慢できない。

自分ではよくわかって話しているつもりだが、他人が聞くと何のことだかわからない。

これが源内の生涯だった。


入獄の原因となった有名な刃傷事件も、周囲に理解されない焦りから統合失調症を発症した結果と考えられる。(例の犯罪心理学者小田晋氏が、記録に残る天才の精神疾患と犯罪が結びついた最初の例と述べている由)


最期まで「フリーは自由でいい」と言いながら、「フリーなので金がない」と嘆いてばかりいたというのも、矛盾を同居させて生きていくしかないアスペ流の特徴だ。全く同感、共感する。


源内は博物学(本草学)で業績を残したかったようだが、その自然哲学を語る暇なく逝ってしまった。

昭和の初めに全集が出ているだけ、徳内よりは恵まれているのか。



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