こんなのどう?
山上たつひこ 『一軒家』
単行本未収録傑作選1を読む。『神代の国』より前の貸本漫画である。
この頃の山上はSF中心に佳作を生み出している。ブラックユーモアの質は、すでに後年の代表作につながるレベルに達している。
もし当時本格的な「SF漫画賞」があったら、山上や吾妻ひでおの才能がより早く評価されたであろう。
山上たつひこ 『神代の国』
諸星大二郎 アンソロジー3巻目
吉田松陰の辞世
風雲児たち (みなもと太郎) 新刊出る
諸星大二郎新刊出る
マンデルブロ自伝を読む
「フラクタリスト マンデルブロ自伝」(早川書房)を読んでいる。
1980年、「フラクタル幾何学」(広中平祐訳)が世に出た時の興奮は忘れられない。モノクロのマンデルブロ集合のプリントアウトから目が離せなかった。
当時の8ビットコンピュータでは早い描画こそできなかったが、「神が自然に隠した秘密の解読」を目撃する実感があったのだ。
しかし、これほど大きな業績を挙げながら、マンデルブロ自身の経歴が詳しく紹介されることはなかった。(本人が語りたがらなかったのかもしれない。)
この自伝を読むと、第二次大戦の時代にポーランドに生まれたユダヤ人の運命を改めて考えさせられる。しかも彼は天才なのだ!
絶滅収容所で悲惨な最期を遂げた人々の物語は多い。そして尽きることがない。
それに比べると、困難な状況を生き延びた人々の言葉を聞く機会は少ない。
一種の後ろめたさか、辛すぎる思い出だからか、人に教えたくない秘伝だからか、あるいはその全てかもしれない。
マンデルブロの自伝は、生き延びた天才の稀有な告白である。特に少年期から青年期の戦中、ポーランド、パリ、テュール、リヨンと身一つで移動(流浪?)しながら経験した仕事の多様性には驚かされる。工場で職人見習いをし、牧場で馬の世話をし、身元を隠して学校に行く。
戦後、マンデルブロがエコール・ノルマルを一日で辞めたり、全盛期のブルバキグループを嫌ってアメリカに行ったりするのは、このような生き方の延長だと本人も言っている。
映画化したいような生涯だ。
森村泰昌その2
森村泰昌その1
その後、資生堂ギャラリーで「森村泰昌展 ベラスケス頌:侍女たちは夜に甦る」を見る。
ロマンティックバレエの世界
ニューオータニギャラリーで「ロマンティックバレエの世界 妖精になったバレリーナ」を見る。
戦後マンガ
最近、戦後マンガ事情をもう一度見直している。